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デジタル化・AI導入補助金2026ガイド

AIを含むITツールの導入を支援する国の制度です。このページでは、利用の多い「通常枠」と「インボイス対応類型」、そして新しく設けられた「スマートレジ類型」「POSレジ類型」を詳しく解説します。

公開 2026年11月3日執筆 泉川 芳文(株式会社マルホ補助金助成金総合研究所 代表取締役)
公式情報の確認日:2026年11月3日。 第7回公募以降の公募要領と、事務局の公式発表にもとづいて作成しています(第6回までの資料は使っていません)。制度は変更されることがあるため、申請の前に必ず公式サイトでご確認ください。

まず押さえたい4つのこと

  1. 通常枠:業務効率化・DXのソフトウェアやクラウドサービスに。補助上限450万円、補助率は原則1/2(条件により2/3)
  2. インボイス対応類型:会計・受発注・決済のソフトに。補助率は最大4/5(小規模事業者)で、PC・タブレットやレジも対象。補助額の下限がなく、少額のツールにも使えます
  3. スマートレジ類型・POSレジ類型(新設):2027年4月に予定されている飲食料品の消費税率の変更に向けた、レジの導入・改修を支援。2026年9月15日以降に契約・導入した費用が対象(事前着手制度)で、申請の受付は2027年1月中旬からの予定です
  4. 締切:通常枠・インボイス枠などは、第7次が2026年12月1日(火)17時、最終の第8次が2027年1月7日(木)17時。この2つの枠では、交付決定の前に契約・支払いをしたツールは対象外です

通常枠

業務効率化やDXのためのソフトウェア・クラウドサービス(AIを含む)の導入を支援します。勤怠管理・顧客管理・生産管理・予約管理など、会計・受発注・決済以外の業務が中心なら、通常枠が目安です(通常枠でも会計・受発注・決済のソフトは対象になります)。

補助額5万円以上150万円未満:業務プロセス1つ以上/150万円以上450万円以下:業務プロセス4つ以上
補助率1/2以内(最低賃金近くで雇用する従業員が多い事業者は2/3以内)
対象経費ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、オプション(最大1年分)、導入関連費(役務は合計200万円まで)
対象外パソコンなどのハードウェア
賃上げの要件150万円以上を申請する場合などは必須(賃上げの要件)

計算の例: 補助対象経費(税抜き)が200万円で補助率1/2なら、補助額は100万円、自己負担は100万円です(消費税と対象外の経費は別に負担します)。補助率2/3の条件にあてはまれば、補助額は約133万円になります。

補助率2/3の条件: 2025年10月〜2026年9月の間に、「その時点の地域別最低賃金以上〜2026年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あると、補助率が2/3以内になります。月ごとの賃金台帳で確認し、賃金状況報告シート(第7次以降用)を提出します。

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計・受発注・決済のソフトと、そのためのPC・タブレット・レジなどの導入を支援します。補助率が通常枠より高いので、会計・受発注・決済のソフトを入れるなら、まずこちらを検討します。

ソフトウェア購入費・導入関連費会計・受発注・決済のうち1機能:50万円まで/2機能以上:350万円まで(下限なし)
補助率(ソフトウェア)補助額50万円以下の部分:3/4以内(小規模事業者は4/5以内)/50万円を超える部分:2/3以内
PC・タブレット等補助率1/2以内、10万円まで(ソフトと一緒に導入する場合に限る)
レジ・券売機補助率1/2以内、20万円まで(ソフトと一緒に導入する場合に限る)
賃上げの要件原則として不要。ただし、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、適用除外の場合を除き、1年後の1人当たり給与支給総額3.5%以上の増加などの計画と、申請時の従業員への表明が必要

補助額の考え方: 補助率が2段階になっているため、少し計算がややこしくなります。たとえば小規模事業者が2機能以上のソフトを100万円(税抜き)で導入する場合、最初の62.5万円に4/5(=50万円)、残りの37.5万円に2/3(=25万円)がかかり、補助額は75万円です。下のシミュレーターで試算できます。

補助額シミュレーター(インボイス対応類型)

事業者の規模
ソフトウェアの機能(会計・受発注・決済)

※ インボイス対応類型専用の目安です(スマートレジ類型・POSレジ類型の試算には使えません)。公募要領(第7回公募〜)の考え方にもとづいています。小規模事業者かどうかは、業種ごとの従業員数で判定します。公式の補助金シミュレーターもあわせてご確認ください。

【新設】スマートレジ類型・POSレジ類型

2027年4月に予定されている飲食料品の消費税率の変更と、将来の税率変更に対応するためのレジの導入・改修を支援する、新しい類型です。以下は2026年10月29日の事務局の発表時点の内容で、詳しい公募要領は後日公開される予定のため、変更される可能性があります。

ほかの枠と大きく違うのは「事前着手制度」です。 2026年9月15日以降に契約・導入・支払いをした費用が対象で、導入・改修と支払いを終えてから申請します(交付申請と実績報告を一度に行います)。ただし、補助金の交付が保証されるわけではありません。

2つの類型の違い

類型補助の対象(ソフトウェア等)ハードウェア
スマートレジ類型スマートレジシステムの導入費用、それにつながる受発注システム・請求書管理システムの改修費用POSレジ・モバイルPOSレジ(券売機は対象外)
POSレジ類型POSレジシステムの導入費用、POSレジシステム自体の改修費用、それにつながる受発注システム・請求書管理システムの改修費用POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機

改修は、税率変更に対応するための改修や、将来の税率変更に柔軟に対応するための改修が対象で、一般的な機能の追加は対象になりません。改修のうち「利用支援に係る費用」(商品マスタの設定変更など)だけの申請はできず、使い方の教育・指導の費用は対象外です。

1つの事業者が申請できるのは、どちらか一方の類型で1回だけです。

補助額と補助率(中小企業・小規模事業者等)

対象経費補助額補助率
レジシステムの導入(ソフトウェア・オプション・役務)と、上の表の改修1機能:50万円まで/2機能以上:350万円まで(下限なし)補助額50万円以下の部分:3/4以内(小規模事業者は4/5以内)/50万円を超える部分:2/3以内
ハードウェア20万円まで1/2以内

補助率の段階はインボイス対応類型と同じですが、対象経費と機能数の数え方が違うため、上のシミュレーターは使えません。機能数は次のように数え、導入と改修の両方を行う場合は合計します。

  • 導入するソフト:会計・決済・受発注のうち、いくつの機能をもつか(複数のソフトで重なる機能は1つと数える)
  • スマートレジ類型の改修:受発注システム・請求書管理システムのうち、改修するシステムの数
  • POSレジ類型の改修:POSレジシステム・受発注システム・請求書管理システムのうち、改修するシステムの数

中堅企業は、飲食料品を取り扱う小売業者で、常時使用する従業員2,000人以下、みなし大企業に該当せず、直近の財務諸表上の自己資本比率が40%未満であることなどが必要です。対象はPOSレジ類型の改修費用だけで、補助率1/3以内・2,500万円までです。申請方法も中小企業等とは異なります。

主な要件と注意点

  • デジタル化・AI導入補助金2026で、IT導入支援事業者として登録されていないこと(自社がベンダーの場合は申請できません)
  • この類型で、申請者のレジ・受発注・請求書管理システムの改修を行う改修事業者でないこと
  • すでにこの補助金で「スマートレジ」に該当するツールの交付申請をしている場合は、申請できません(POSレジ類型は「POSレジ」も同様。不採択になった場合を除く)
  • レジシステムの導入は、登録されたIT導入支援事業者から、登録済みのITツールを導入する必要があります。改修は、IT導入支援事業者として登録していない事業者が行ったものも対象で、改修費用のITツール登録は不要です
  • ハードウェアだけの申請はできません。導入コンサルティング(カテゴリー5)は対象外です。スマートレジ類型では券売機は対象外です
  • 改修について、契約先・発注先1者あたりの見積額の合計が50万円(税抜き)以上の場合は、原則として同じ条件で相見積もりを取ります。50万円未満でも見積書と、改修事業者の選定理由書が必要です
  • 受発注・請求書管理システムを改修する場合は、レジとつながっていることを示すシステム連携図が必要です
  • 支払いは原則、銀行振込かクレジットカードの1回払い。契約日・発注日・納品日は2026年9月15日以降である必要があります
  • 申請は、通常枠などのようにベンダーと共同で入力するのではなく、事業者が単独で行います(GビズIDプライムが必要です)
  • 詳しい公募要領・交付規程・マニュアルは、事務局から後日公開される予定です

そのほかの枠

枠補助額補助率主な対象
インボイス枠(電子取引類型)下限なし〜350万円中小企業・小規模事業者等は2/3以内、それ以外は1/2以内発注者が費用を負担し、受注者が無償で使えるインボイス対応の受発注ソフト
セキュリティ対策推進枠5万円〜150万円中小企業は1/2以内、小規模事業者は2/3以内IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」のサービス(最大2年分)
複数者連携デジタル化・AI導入枠基盤導入経費等はグループ全体で3,000万円まで(その他経費は別に200万円まで)経費の種類による10者以上が連携して行うインボイス対応やキャッシュレス決済の導入

対象となる事業者

  • 中小企業・小規模事業者等であること(大企業の出資を受けている「みなし大企業」などは対象外)
  • 通常枠・インボイス枠などは、登録されたIT導入支援事業者と一緒に申請し、登録済みのITツールを導入すること
  • GビズIDプライムのアカウントを持っていること(取得には時間がかかることがあるので、早めに手続きしましょう)

スケジュール

対象締切・期間交付決定(予定)事業実施・実績報告の期限(予定)
通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠 第7次2026年12月1日(火)17時2027年1月19日(火)2027年7月30日(金)17時
同 第8次(最終公募回)2027年1月7日(木)17時2027年2月17日(水)2027年8月31日(火)17時
複数者連携デジタル化・AI導入枠 第4次(最終公募回)2027年1月7日(木)17時2027年2月17日(水)2027年8月31日(火)17時
スマートレジ類型・POSレジ類型対象期間:2026年9月15日〜2027年3月ごろ/申請受付:2027年1月中旬〜3月ごろ――
  • 通常枠などで、導入したいツールが未登録の場合、ITツールの新規登録申請は2026年12月9日(水)17時が締切です(スマートレジ・POSレジ類型の対象を除く)。期限内に申請しても、登録や交付申請が間に合うとは限りません
  • 締切時刻を過ぎると、どんな理由でも受け付けられません。締切の前日・当日は申請の画面が混み合います

第8次に向けた準備の目安: 11月中にGビズIDプライムの取得とベンダーへの相談、12月中に見積の確定と賃上げ計画の作成。年末年始をはさむため、12月下旬までに入力を終え、1月上旬は最終確認と提出だけにするのが安全です。

申請の流れ

通常枠・インボイス枠

  1. IT導入支援事業者(ITベンダー)を選び、導入するツールと見積を決める
  2. GビズIDプライムで申請マイページを開き、ベンダーと一緒に交付申請する(法人は履歴事項全部証明書と法人税の納税証明書、個人事業主は本人確認書類・所得税の納税証明書・確定申告書の控えなど)
  3. 交付決定を受けてから、契約・導入・支払いをする
  4. 事業実績報告をして、補助金を受け取る
  5. その後、効果報告をする(賃上げの要件がある場合は、給与支給総額なども報告)

スマートレジ類型・POSレジ類型

  1. レジの導入・改修について、ベンダー・改修事業者と契約し、導入・改修と支払いを終える(2026年9月15日以降)
  2. 2027年1月中旬以降、事業者が単独で申請マイページを開き、交付申請と実績報告を一度に行う(契約書・請求書・支払証憑・設置写真などを提出)
  3. 審査を経て、補助金を受け取る

賃上げの要件(通常枠)

賃上げの要件は、申請区分・申請額・過去の交付決定の有無によって異なります。主に次の場合に、賃上げの計画が必須です(保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業を行う事業者、学校などは適用外)。

  • 通常枠で150万円以上を申請する場合
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある場合

通常枠で150万円以上を申請する場合、第7次からは次の3つを満たす3年間の計画を立て、交付申請の時点で従業員に表明します。

  1. 1人当たり給与支給総額を、1年後に3%以上(過去に交付決定を受けた事業者は3.5%以上)上げる
  2. 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を、3%以上(同3.5%以上)にする
  3. 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を、地域別最低賃金+30円以上の水準にする

事業計画の終了時点で要件が未達の場合や、期間内に報告しなかった場合は、補助金の返還を求められます。事業場内最低賃金の要件は、各年度の効果報告のたびに判定され、未達の年度に応じて全部または一部の返還になる場合があります。返還が免除される条件もあるため、公募要領で確認してください。

注意点

  • 通常枠・インボイス枠などでは、交付決定の前に契約・発注・支払いをしたツールは対象外です(事前着手が認められるのは、スマートレジ類型・POSレジ類型だけです)
  • 第8次で不採択になった場合、通常枠などで公表されている今年度の公募には、再申請できる次の締切はありません。余裕をもった準備をおすすめします
  • 賃上げの計画を従業員に表明したと申告して、実際は表明していなかった場合は、交付決定が取り消されます
  • 効果報告が終わる前にツールの利用をやめるなどして補助事業を辞退すると、補助金の全部または一部の返還が必要になることがあります。賃上げが必須要件の事業者は、全額の返還になります
  • GビズIDや申請マイページのIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含め、だれにも渡さないでください

よくある質問

AIツールなら何でも対象になりますか。
なりません(通常枠などの場合)。事務局に登録されたITツールで、登録されたIT導入支援事業者と一緒に申請する必要があります。導入したいツールが登録済みかは、公式サイトの「ITツール検索」やベンダーに確認できます。
パソコンだけを買うことはできますか。
できません。PC・タブレットはインボイス枠(インボイス対応類型)で、会計・受発注・決済のソフトと一緒に導入する場合に限り対象になります(10万円まで、補助率1/2以内)。
先に契約してもよいですか。
新設のスマートレジ類型・POSレジ類型は、事前着手が認められています。2026年9月15日以降に契約・導入・支払いをした費用が対象で、支払いを終えてから申請します。一方、通常枠・インボイス枠などは、交付決定の前に契約・発注・支払いをしたものは対象外です。必ず交付決定を受けてから契約してください。
補助金はいつ受け取れますか。
導入・支払いを終えて実績報告をしたあとです。導入費用はいったん全額をご用意いただく必要があります。
すでにレジを持っていますが、スマートレジ類型・POSレジ類型は使えますか。
既存のPOSレジシステムの改修(POSレジ類型)や、受発注・請求書管理システムの改修も対象です。また、レジ本体(PC・タブレット)をすでに持っていて、ソフトとレジの付属品だけを導入する場合の付属品の購入費用も対象になります。詳しくは、後日公開される公募要領で確認してください。

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出典・更新履歴

更新履歴:2026年11月3日 公開

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